未来のあたりまえをつくる。DNP

―― 1900年 パリ万博。20世紀への展望を示すこの大規模な催しに、人々の度肝を抜くあるものが展示されました。動く歩道です。これは「歩道は動かない」という常識を打ち砕く大きな挑戦 でした。しかし今日では世界中に普及しています。万博は、未来のための挑戦の場なのです。「未来のあたりまえをつくる。」をスローガンに掲げるDNPも、印刷会社の枠から大きく飛び出し、 未来のための挑戦を続け、半導体関連のナノレベル微細加工技術やオンライン・バーチャル空間の最先端技術、さらにはiPS細胞を応用したミニチュア臓器の開発にまで至っています。

2025年の大阪・関西万博は、「未来社会の実験場」がコンセプト。
DNPはその考え方に強く共感し、万博への参加の意思をここに表明します。

DNPは、2025年大阪・関西万博「シグネチャーパビリオン」にゴールドパートナーとして参画しています

万博「動く歩道」まめ知識

「動く歩道」が街中に設置され、誰でも広く利用できるようになったのは1900年パリ万博。しかし、1893年シカゴ万博でも「動く歩道」は登場。当時は埠頭の桟橋とカジノをつなぐアトラクションのようなものでした。

ちなみに、上にあるパリ万博の写真では3本の通路が見えますが、右側は動かない普通の歩道、真ん中がゆっくりと動く歩道、左側が最も速く動く歩道です。
人々は、右から順に左へと乗り移れるようになっていました。

目指すのは「創造性の民主化」

目指すのは「創造性の民主化」

DNPが協賛するシグネチャーパビリオンは、ジャズピアニストであり、数学研究者でもある中島さち子プロデューサーの「いのちの遊び場 クラゲ館」。

「クラゲ」はゆらぎのある遊びや言葉で説明しきれない何か、原始性、いのちの創造性を象徴する。

©steAm Inc. & Tetsuo Kobori Architects All Rights Reserved

「いのちの遊び場 クラゲ館」完成イメージ

バーチャル空間にも拡がるクラゲ館で、 “ワクワク”を探す旅に出かけ、何かやってみようと思ってもらいたいと、DNPも関わるクラゲプロジェクトは進行中です。

万博と共にDNPが実施してきた「実験」

万博と共にDNPが実施してきた「実験」

大阪・関西万博のコンセプトは「未来社会の実験場」。
DNPも万博と共にさまざまな「実験」に取り組み、
「未来のあたりまえ」に挑戦してきました。

万博と共にDNPが実施してきた「実験」

1970年 大阪万博

企画力が切り拓いた新たな道
はじめてのパビリオン企画

1970年の大阪万博に向けて、DNPはサウジアラビア大使館から、「出展はしたいが展示内容を考える人間がいない」という声を聞きました。そこで、パンフレット等の印刷物に留まらず、デザインをはじめパビリオンの展示企画トータルでの提案に挑戦し、受注に至りました。当時、印刷会社がパビリオン全体の提案に乗り出すのは異例中の異例。DNPにとっても実験的な試みでした。

サウジアラビア館

サウジアラビア館

また、こうしたDNPの「挑戦」を耳にした他の国・地域からも注文が舞い込みはじめ、DNPは結果的に9つのパビリオンで企画・制作を担当したのです。

この挑戦によってDNPの企画力は広く認められるようになり、提案型ビジネスの領域が大きく拡大。現在では文化・商業施設、イベント、展示会などリアルな場はもちろん、オンライン・バーチャル空間の企画・設計や、企業コミュニケーション全体のプロデュースを手掛けるまでに至っています。

立教学院展示館

立教学院展示館

「バーチャル秋葉原」イメージ

「バーチャル秋葉原」イメージ

1970年 大阪万博

磨き続ける微細加工技術
15㎟に「100年分」のカレンダー

DNPは15×15mmのシリコン板に「1世紀=100年分」の日付が入った「センチュリーカレンダー」を1970年 大阪万博で公開しました。
“顕微鏡を使わないと見えない” この小さなカレンダー。ここまでの精密な印刷は、DNPにとっても実験的な試みであり、完成したカレンダーは大きな注目を集めました。

センチュリーカレンダー

センチュリーカレンダー

DNPはその後も微細加工技術を磨く挑戦を続け、50年後の現在では、同じ15㎟の四角形の中に、1万倍となる「100万年分」のカレンダーを描けるレベルにまでなっています。

この微細加工技術は、半導体用フォトマスクやディスプレイ用部材など最先端のエレクトロニクス分野や、ホログラムなどによる偽造防止・セキュリティ分野に応用されています。さらに、メディカルヘルスケア分野では「iPS細胞を応用したミニチュア臓器」の開発にまで活かされており、その進化を続けています。

半導体用フォトマスク/有機ELディスプレイ関連製品

半導体用フォトマスク/有機ELディスプレイ関連製品

ボトルに入ったミニチュア臓器「ミニ腸」

ボトルに入ったミニチュア臓器「ミニ腸」

1970年 大阪万博

文化遺産の「保存」と「公開」
そして「体験」をあたりまえに

大阪万博・日本館で展示された「世界図屏風」は、DNPが当時の精密な印刷技術で再現した複製画です。
これは、普段は人の目に触れない文化財を、複製画を通して身近に感じてもらうための試みの一つ。その後も高精細複製技術などを進化させることで、DNPは文化遺産やアート作品の「保存・継承」と「公開」の両立を実現してきました。

「世界図屏風」の複製画(現品は神戸市立博物館所蔵)

「世界図屏風」の複製画(現品は神戸市立博物館所蔵)

また、DNPは新しい鑑賞体験を創出するインタラクティブなコンテンツシステムも展開。「デジタル化された作品」とその「みどころ」を組み合わせ、作品に対する興味のきっかけを提供しています。

今ではタッチパネルで作品の多様な情報を見ることができるのはもちろん、ヘッドマウントディスプレイを装着してVR空間内を動き回り、デジタル化された作品を鑑賞することもできます。

インタラクティブなコンテンツシステム「みどころシリーズ®」

インタラクティブな
コンテンツシステム「みどころシリーズ®」

2015年 ミラノ万博

「ダイバーシティ(情報の滝)」
共創により生まれるものたち

近年の万博でも、DNPはさまざまな「実験」に参加しています。

ミラノ万博・日本館の「ダイバーシティ(情報の滝)」は、巨大な滝に、食に関連した大量のコンテンツが流れ、触れるとスマートフォンアプリに取り込むことができる展示。
デジタルアート、スマートフォンアプリなど複数パートナーの技術との掛け合わせによる実験で、DNPは約1,000のコンテンツを開発しました。

ダイバーシティ(情報の滝)

ダイバーシティ(情報の滝)

自社の技術を発展させることはもちろん、さまざまなパートナーとの掛け合わせが新たな価値を生み出し続けています。

ダイバーシティ(情報の滝)を体験する様子

ダイバーシティ(情報の滝)を体験する様子

2020年 ドバイ万博

大阪・関西万博に継承される
コンセプト体験型展示への挑戦

ドバイ万博・日本館のテーマは「Where ideas meet(アイディアの出会い)」。
DNPはこのテーマに賛同し、同館展示エリアの「シーン3:現代日本のテクノロジー」と「シーン5:アイディアの出会い」に協賛しました。

「シーン3」では、ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也氏による、日常にあるものをミニチュアの視点で別のものに表現する「見立て」の世界に、DNPのデジタル技術を掛け合わせて展示。「シーン5」では、DNPとクリエイティブカンパニーCEKAIの共創で、日本館のフィナーレを演出・制作しました。

シーン3の様子

シーン3の様子

これらは、大阪・関西万博にも継承されるコンセプトの体験型展示として好評を博し、博覧会国際事務局およびドバイ公社が主催するパビリオンプライズの「大規模パビリオンカテゴリ・展示デザイン部門」で金賞を受賞しました。

シーン5の様子

シーン5の様子

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