2019/6/14

教員の「働き方改革」を実現するためには? ICT活用による業務効率化がポイントに!

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この記事のポイント

  • 学校における働き方改革について、中央教育審議会が平成31年1月に答申
  • ICT活用による、作業の「自動化」が業務効率化のカギ
  • 広がる「テスト採点」「アンケート集計」の効率化での成功事例


平成31年1月、学校の「働き方改革」についての議論をまとめた中央教育審議会は、長時間労働の解消に向けた答申を文部科学省に提出しました。具体的な内容は、次の通りです。

  • 勤務時間管理の徹底と上限ガイドライン(月45時間、年360時間)
  • 労働安全衛生管理の必要性(ストレスチェック実施、産業医選任)
  • 教員一人一人の働き方に関する意識改革(時間の効率的配分、短時間での教育目標達成)

ここで挙げられた内容を実現するためには、教員の業務を見直し、その効率化を進めることが必要です。一方で、日常の業務を行う中で「具体的に何から手をつけるべきかわからない」と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、ICT(※)を活用して実際に業務効率化を実現している事例を紹介します。

  • ICT=Information and Communication Technologyの略称。インターネット等を活用した情報処理や通信技術の総称。

テスト採点業務の効率化 〜兵庫県A中学校〜

兵庫県A中学校では、長期化する教員の残業時間が課題となっていました。同校の校長先生は「月あたりの超過滞在時間は平均60時間以上にも達し、中には100時間を超える教員もいました」と語ります。

こうした残業は、部活動や生活指導、家庭訪問、教材研究など、多様な業務からくるものです。中でも毎月発生するテスト関連業務は、教員自身によるテスト問題作成や、3年生に実施する実力考査などの影響で、特に大きな負荷となっていました。

そこで、同校が市教育委員会からの紹介を受けて導入したのが、採点業務を自動化できるシステムです。このシステムでは生徒の解答済の答案用紙をスキャナで読み取ってデータとしてPCに取り込み、クラス全員の答案を設問毎にデジタルで採点、結果をスタディ・ログとして蓄積することができます。

システム導入の効果が特に著しかったのが英語と国語で、導入前と比べ、テスト採点業務の時間を1クラスあたり1.5〜2時間程度削減することができました。

実際に利用している教員の方からは、「点数計算の間違いなど二次的な問題が改善された」「全回答が一度に並べて表示されるため、正答・誤答を確認しやすい」といった声があがっています。

また、「採点の過程で誤答の多い問題が見つけられるため、採点しながらの分析が可能になった」「集計が早くでき、指導に時間が割けるようになった」といった、指導と評価の両面で効果があることを評価する声も出ています。

こうした結果を受け、同校では今後このシステムを、スタディ・ログ分析からクラスや個別の指導の充実を図る取り組みに広げていく方針です。

なお、鹿児島大学教育学部附属中学校は、同システムを定期テストの採点業務だけでなく、入学試験(入学選考)にも活用。実際の入試では、約2400枚の採点をシステムで行った結果、採点時間が従来の7時間から4時間へと短縮されるなどの効果が出ています。

アンケート集計業務の効率化 〜岡山県B市情報学習センター〜

上に挙げたテスト関連業務以外に、教員に負荷がかかる業務としてアンケート調査集計が挙げられます。

岡山県B市情報学習センター館長は、学校評価や生活指導・保健指導などで頻繁に行われるアンケート調査について、「教員は大量のアンケート用紙の出力・配布・回収・集計を行わなくてはならず、管理職は各教員が集計したクラス毎のデータを、さらに集計することが大変な負担になっています」と語ります。

一方で、アンケート調査は児童生徒を多面的に見取っていくために重要なもの。同館長も「アンケートで子どもの内面を明らかにしていくことが、一人ひとりにあわせた指導に求められていくこととなる」としています。

そこで、同市市立C中学校では、手書きアンケートの自動集計機能を持つシステムを導入。結果として、これまで18名の教員が1ヶ月かけて実施していたアンケート調査集計が、1人の教員だけで1週間で完了するようになりました。

この結果について、館長は「これだけ負担軽減となれば、もっと多様なアンケートを気軽に実施することが可能になり、児童生徒を多面的にとらえていくことがさらに進むだろう」と今後への期待を話されました。

まとめ

このように、従来、先生方が手作業で行ってきた業務を、ICTシステムを活用して効率化することは、先生方の負担軽減につながっています。しかも、これによって空いた時間を子供たちに接する時間や指導に力を注げることで、働き方改革の一助にも結びつけられると考えています。

本コラムで紹介したA中学校、鹿児島大学教育学部附属中学校、C中学校が導入したのは、いずれもDNPの「Answer Box Creator(ABC)」です。

このシステムは、上述した教員による手書きのテスト採点やアンケート集計機能のほか、生徒ごとの合計点や、問題ごとの正答率、その他詳細なデータの集計ができるため、先生方の気づきや指導の改善に役立てることができます。

また、学校サーバへの導入だけでなく、「センターサーバ導入」「クラウド提供」と、どのタイプにも対応可能ですので、先生の「働き方改革」や学校の「業務効率化」でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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