横浜開港資料館のデジタルアーカイブを構築

横浜開港資料館

同館では、文化観光の推進に関する法律に基づく拠点計画事業の一環として、館内に収蔵されている27 万点を超える収蔵資料のデジタル画像（動画・静止画）をデータベースに登録し、資料の検索・閲覧・利用申請が行える利便性の高いウェブサイトを公開することで、「横浜開港」に関する観光の魅力をアピールする基盤を創り国内外からの多様な利用者の便に供するとともに、開港資料館や伝統的観光地エリアへの来訪の期待感高揚、「横浜らしさ」につながるアイデンティティの形成に繋げることを目指していました。
その計画に対し、DNPは所蔵資料の検索機能を備えたウェブサイト構築を行うことで、幕末・明治期を中心とした浮世絵や古写真などを公開し、誰でも自由にインターネットを介し資料の情報にアクセスが可能な環境を整備しました。

多様な利用者を想定し、使いやすさを重視したスタイリッシュなデザインとしました。サイト上部には所蔵資料の画像をタイル状にランダムに配置し、クリックすると資料の詳細画面へ遷移します。更に、「PICK UP ARCHIVE」では、ウェブ上の展覧会のように、テーマに合わせた所蔵資料を紹介し、利用者の興味喚起を促します。
また、現在も随時資料情報を公開しており、20万点を超す豊富な資料が閲覧できます。（2024年10月末時点の点数）

本サイトでは利用者ごとの様々な目的に対応し、多様な検索機能を備えています。
「資料種別から選ぶ」では、写真や絵葉書等9種のジャンルから、「テーマで探す」ではペリー来航や関東大震災等の12種のテーマから、「マップで探す」では地図からエリアを絞って、絵葉書や古写真等を一覧で閲覧することができます。更に、条件指定が可能な詳細検索機能を備えることで、多様なニーズに対応した絞り込みが可能です。

「詳細検索」画面

「マップで探す」画面

収蔵品管理システムは600超（2024年８月末時点）の国内利用館・機関が導入している、早稲田システム開発株式会社が提供する「I.B.MUSEUM SaaS」を採用しました。Web APIにより多様なアプリケーションとの連動が可能であり、本サイトでも同システムと連動しながら、公開用の検索画面等をトップページのデザインに合わせ制作しました。
「I.B.MUSEUM SaaS」はクラウド型のため、最新の機能をカスタマイズ無しで利用することができるほか、管理画面からデータの更新・追加・削除が可能です。

Webサイトの構築に加え、より多くの利用者を得る為にプロモーションの支援を行いました。告知用リーフレットを制作・製造し活用いただいています。

横浜開港資料館　ご担当者様
▶導入頂いた感想
「よかった」の一言に尽きます。
これまで個別の台帳で管理していた古文書・写真アルバム・絵葉書・浮世絵など多様な収蔵資料の情報を集約し、一元的に管理できるようになったことで、データの不整合を可視化できるようになり、資料情報の検索・抽出・共有化などの効率が飛躍的に上昇しました。
もう手放すことは難しいと思っています。

▶今後の活用の可能性・予定など
今後は画像やPDFの充実を図るとともに、ピックアップアーカイブの更新頻度やワンクリック検索の種類を増やすなど、利用者に長く使い続けてもらうような仕掛けを充実させていきたいと考えています。また、デジタルアーカイブで公開している画像を広く活用していただけるよう、ウェブでの画像利用申請にも対応していく予定です。

▶DNPに対する期待や要望
デジタルアーカイブは業務の進展に応じて情報が日々更新される「生き物」ですし、社会状況の変化もめまぐるしい昨今、システムの陳腐化を懸念しております。利用者に長く親しまれるデジタルアーカイブにしていきたいと思いますので、迅速にご対応いただけるサポート体制の構築と館の個性（運営状況）に応じた現実的な（身の丈に合った）プランのご提案に期待しています。すでに弊館の期待・要望には十分お応えいただいてはおりますが、引き続き宜しくお願いします。