自社事例(京あそび)
京都嵐山 新緑の古刹名庭を庭師とめぐる
京都屈指の観光地・嵐山に位置する世界遺産にも認定・登録された臨済宗天龍寺派の大本山、天龍寺。その敷地内には最初の史跡・特別名勝指定を受けた高僧・夢窓疎石作の池泉回遊式庭園「曹源池庭園」や塔頭寺院・弘源寺の禅の言葉から名づけられた枯山水庭園「虎嘯の庭」、塔頭寺院・宝厳院の禅僧 策彦周良禅師によって作庭された「獅子吼(ししく)の庭」など古刹名庭が数多くあります。それらの庭園を庭師の解説で鑑賞し、精進料理の昼食をお召し上がりいただくプログラムを開催しました。
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プログラム内容
プログラム1 京都嵐山 新緑の古刹名庭を庭師とめぐる<天龍寺・弘源寺>
天龍寺 曹源池庭園 |
<開催日時>2019年5月18日(土)、19日(日) 9:00~13:00
<プログラム内容>
・弘源寺僧侶のお話
・庭師による弘源寺「虎嘯の庭」解説と鑑賞
・毘沙門堂参拝、竹内栖鳳の作品鑑賞
・天龍寺僧侶のお話
・庭師による天龍寺「曹源池庭園」解説と鑑賞、散策
・「篩月」にて精進料理の昼食
新緑の美しい初夏の嵐山で世界遺産天龍寺とその塔頭寺院弘源寺の庭園を庭師の解説で鑑賞し、精進料理の昼食をお召し上がりいただくプログラムを開催しました。
始めに弘源寺の僧侶より寺院の歴史などをご案内いただきながら本堂を拝観しました。現在の本堂は江戸中期の建物で、幕末の尊王攘夷派の長州藩士による試し切りの刀傷が残る柱も見られること、また、弘源寺とゆかりが深い竹内栖鳳らの作品を所蔵していることなどをお話いただき、みなさん大変興味深く聞き入っておられました。
曽根造園 平木信行さんによる庭の解説 |
続いて、弘源寺の名庭「虎嘯の庭」を目の前に、40年以上に渡り天龍寺やその塔頭寺院の庭園を管理している庭師の平木さんにお話いただきました。大陸から禅宗が伝わった際、宗教だけでなく建築や庭園にも大きな影響を及ぼしたことをお話され、「虎嘯の庭」は大地から湧き出た水が大海へと流れる様子を表現しており、帆掛け船を模した舟石が配置されていることをお話いただきました。
重要文化財 毘沙門天像の解説 |
次に、一般では入ることのできない毘沙門堂で、重要文化財 毘沙門天像についても解説を聞きました。毘沙門天像は、通常、正面を向いていますが、インドの仏師が作ったとされるこの像は腰から「く」の字にひねって立っている、とても珍しい作例であることなどをお話いただき、間近に鑑賞しました。
その後、こちらも通常は入ることのできない天龍寺の大方丈でご本尊を目の前に、天龍寺宗務総長に京都の禅寺や天龍寺の歴史についてわかりやすくお話いただき、みなさん頷きながら聞いておられました。
庭師の解説で庭園内を散策 |
同じ大方丈からは、特別名勝に指定された「曹源池庭園」を臨むことができます。再び庭師の平木さんに解説をいただき、本庭園には中国の故事「登竜門」にちなみ、鯉を石にみたてた石組があり、禅の理念を石組で表現していることに禅宗庭園の魅力があることなどをお話いただきました。
実際に季節の草木が美しい庭園を平木さんと共に散策し、植物の種類による管理方法の違いや木々を枯らさないように維持していくための苦労話など庭師ならではの視点でのお話を聞くことができました。皆さん積極的に質問をされ、熱心に聞き入っておられました。
最後はお待ちかねの精進料理の昼食です。季節の食材をふんだんに使用した彩り豊かな食事に大変ご満足いただけました。
<参加者の声(アンケートより抜粋)>
◎ふだん個人観光では聞くことが出来ないお寺の方や庭師の方の話を聞くことが出来て良かった。昼食付も良かった(お昼はお店が混むので...)(鳥取県在住 50代女性)
◎総長、庭師さんの話がおもしろく、新たな楽しみをみつけることができた。(神奈川県在住 40代女性)
◎庭師さんの説明が大変良かったです。ためになりました。(兵庫県在住 40代女性)
※平木 信行(ひらき のぶゆき)
株式会社曽根造園 専務取締役。40年以上天龍寺にて弘源寺「虎嘯の庭」や宝厳院「獅子吼の庭」等の庭園を管理している。
プログラム2 京都嵐山 新緑の古刹名庭を庭師とめぐる<宝厳院>
宝厳院 書院からの獅子吼の庭 |
<開催日時>2019年5月18日(土)、19日(日)13:30~16:10
<プログラム内容>
・天龍寺 田原宗務総長の講話
・本堂参拝/障壁画鑑賞
・庭師による「獅子吼の庭」解説
・庭師の解説とともに庭園散策
天龍寺 田原宗務総長の講和 |
天龍寺・弘源寺での庭園を満喫した午後は、同じく天龍寺塔頭の宝厳院でも、新緑の庭園を鑑賞するプログラムを行いました。
秋の紅葉の名所として名高いだけでなく、初夏の青もみじも美しい宝厳院。本プログラムでは通常入室できない書院に特別に入り、絶景の「獅子吼の庭」を眺めながら、まずは天龍寺 田原宗務総長の講話から始まりました。
世界三大宗教のお話から仏教の考え方について説明いただき、人間は生老病死をはじめとして、苦の多い世界に生きており、その中でいかに安らぎを見つけられるかがその人の生き様になること、そのためには最初からすべてを得ようとせず、得られたものに満足することなどをわかりやすくお話いただきました。
続いて本堂に移動し、ご本尊を拝観し、田村能里子画伯が描いたの襖絵「風河燦燦三三自在」を解説付きで鑑賞いただきました。襖絵には観音さまが、あらゆる人を救うために33種の姿に化身することにちなんで33人の人物が描かれているそう。皆さん、解説を聞きながら興味深そうに隅々まで鑑賞されていました。
庭師による獅子吼の庭の解説 |
次に、初夏の気持ち良い空気が入ってくる窓際から「獅子吼の庭」を眺めながら、午前にもお話いただいた庭師の平木さんに解説をいただきました。「獅子吼の庭」は元々別の場所にあり、平成に入ってからこの地に移転したとのことですが、碧岩や獅子岩など、これほどの巨石が点在している庭園は京都市内でも珍しいそうです。
庭師の解説で庭園内を散策 |
最後は、実際に庭園を散策しながら、もみじや松、苔など庭園内に植えられている植物の育成や美しい蓑垣、茅葺の維持管理について技術の伝承の大切さも解説いただきました。
午前中のプログラムと共に新緑の季節の庭園を存分に堪能いただけた1日となりました。
<参加者の声(アンケートより抜粋)>
◎宗務総長のお話、有難く拝聴致しました。庭師の方のお話も奥深く、様々な知らなかったことをお伝え頂きました。(京都府在住 30代女性)
◎ご講話、深いお話で良かった。庭師さんのお話も詳しく、書院、お庭もゆっくり見れて良かったです。(京都府在住 40代女性)
◎庭師の方のお話を聞きながらの散さく(が良かった)(東京都在住 60代女性)
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