国立工芸館様

国立工芸館の所蔵作品を3Dデジタルアーカイブ化

2020年10月に石川県金沢市に移転開館した国立工芸館が所蔵する工芸作品の一部を、3Dデジタルアーカイブ化し、同館が設置する高精細な8K対応のタッチディスプレイで公開しました。第一弾として「川喜田半泥子《志野茶碗 赤不動》」、第二弾として「板谷波山《霙青磁牡丹彫文花瓶》」「桂盛行《鶉四分一打出水滴》」の3Dデジタルデータを作成しました。作成にあたっては、独立行政法人国立美術館の主任研究員監修のもと、高解像度な複数の写真画像から忠実な絵柄・質感ならびに3D形状を作成するフォトグラメトリ手法を駆使し制作しました。

展示作品

川喜田半泥子《志野茶碗 赤不動》

川喜田半泥子 《志野茶碗 赤不動》 (1949年)

板谷波山《霙青磁牡丹彫文花瓶》

板谷波山《霙青磁牡丹彫文花瓶》(1925年)

桂盛行《鶉四分一打出水滴》

桂盛行《鶉四分一打出水滴》(1971年)

特長

特長①3D形状の対象物を高精細デジタル撮影

立体形状の対象物を高精細デジタル撮影技術により分割撮影し、詳細な情報を取得。高解像度の形状データで、工芸作品が持つ微細な材質や質感、凹凸情報まで再現しています。

特長②:独自技術による効率的な業務進行

これまでの経験から開発されたDNP独自の撮影機材を用いて、撮影作業を半自動化することにより、撮影作業の効率化を実現しました。

特長③色再現(カラーマネジメント)を実施

印刷技術で培ったCMS (Color Matching System)を適用し、材質や質感表現など高い色再現性を実現しています。

参考情報:現地3D代替鑑賞システム

取得した3Dデータを活用し、8K出力70インチのタッチディスプレイで鑑賞できるシステムを館内に導入しました。作品の外観や状態をあたかも手に取るような感覚でじっくり鑑賞することができ、作品の理解促進や興味・関心のベースづくりをサポートしています。

●ホーム画面で作品を選択後、作品を拡大縮小回転し鑑賞。
●作品解説や見どころ解説(3箇所まで)、実寸大機能を搭載。
●多言語対応(日・英・繁体・簡体・韓)

関連ページ

国立工芸館2D作品解説検索システム

所蔵作品を概観し、興味を持った作品からその作品の解説や技法を閲覧するデジタルコンテンツを導入しました。特徴として作品の細部や特徴が知れる作品画像の拡大、ジャンルや年代からの作品検索機能を実装しました。また、デジタルアーカイブシステムの構築も行いました。

この事例で導入した製品・サービス

デジタルアーカイブソリューション_3Dデータアーカイブ

美術館・博物館の作品や文化財、図書館の貴重資料などを保存、継承するためにデジタルアーカイブ化する際、立体的な形状をもつ対象物では、2Dの情報を記録する以外に3Dの形状を含めた記録も重要です。
DNPでは長年のデジタルアーカイブへの取組みで培った高精細デジタル撮影ノウハウやカラーマネジメント技術等を活用して、再現性の高い3Dデータの作成とアーカイブ化のサービスを提供しています。

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