かどや製油株式会社様
社員の意識改革こそが工場DX化のポイント
ごま油や食品ごま等、自然・健康食品としての「ごま製品」の製造販売を行っている「かどや製油株式会社」。
同社では、従来の労働集約型の働き方からの変革をめざし、会社の風土・社員の意識改革や、生産性の向上に取り組んでいます。今回、同社生産本部副本部長の高橋様に「DNP ファクトリーDX ロードマップ策定支援サービス」を導入した目的や、導入後の効果についてお話を伺いました。
(本記事は2023年6月に取材した内容をもとに構成しています。記事内のデータは取材時のものです。)
導入企業様プロフィール
企業情報
社名 | かどや製油株式会社 |
事業内容 | ごま油、食品ごま等の製造販売 |
創業 | 1858年 |
従業員数 | 418名(2023年3月末現在) |
URL | https://www.kadoya.com/ |
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- 目的
- ・原料価格の高騰に対応した生産性向上
・労働集約型産業でのDX推進の意識改革
・現場への納得感のある浸透 - 課題
- ・工場DXについて何からはじ始めたらいいのかわからない
・社員の主体性のさら更なる向上
・情報共有環境の未整備 - 効果
- ・リアルな現場の課題感の抽出、納得感の醸成
・主体的にDXを推進する前の風土づくり
・工場DX化へ向けたロードマップ策定
「DNPファクトリーDX ロードマップ策定支援サービス」を導入したきっかけ
ただデジタルツールを導入するだけでは意味がない。
社員の意識改革とともにDXを
創業以来、かどや製油は、品質にこだわりながら、真摯にモノづくりに取り組んできました。しかし、社会環境や原料価格の高騰など大きな変化にさらされる中、さらなる生産性向上のためのイノベーションとして、工場DXへの取り組みが必要と考えました。
2021年からDX推進を始めましたが、当時は、目的意識自体が希薄でDXに関する情報や知識も浸透していませんでした。
食品業界は、少量多品種生産が一般的であり、人の手に頼らざるを得ない「労働集約型産業」となっています。かどや製油も全てを機械化するのは現実的に難しく、人の作業に頼らざるを得ない面があります。
まずはタブレットなどデジタルツールを導入することから始めようと検討開始しましたが、単にツールの導入だけでは、従業員がDX推進の本質的な目的を理解せず、期待している効果は得られないのではと考え、従業員の働き方改革に注力する方向に舵を切りました。
DX支援サービスは数多くありましたが「DNPファクトリーDX ロードマップ策定支援サービス」では、現場で働いている人の意識を変えることが会社を強くするというメッセージがあり、そこに惹かれました。
なぜ「DNPファクトリーDX ロードマップ策定支援サービス」か?
ありたい姿を導き出す方法を明確に
工場DX実現に向けたスローガンを全員参加で
工場DXを進める必要性や意識を浸透させるためのストーリーづくりに取り組む中で、次の段階として、個々の課題を組織の課題として可視化し、現場のメンバーに理解浸透させることが最も難しく、かつ重要であると考えていました。
他社サービスでは、ツールのメリットが強調される一方、かどや製油としては、まず現場に工場DXの目的意識を浸透させることが必要不可欠であると考えていました。
DNPは、実施決定後、要望するスケジュール感にあわせて、迅速に従業員参加型のありたい姿を導くワークショップを提案してくれました。実際に工場・現場に来ていただき、ワークやヒアリングなどを行って意見を吸い上げる進め方の提案もありました。
サービスの採用を進めていくにあたり、社員の意識改革が本当にできるだろうか、本質的な問題意識が醸成されるかという多少の不安はありました。ですが、DNPは包装資材での付き合いがあり、我々の問題へのアプローチが明確でした。
ワークショップでは、ゴールに向かうためのストーリーをつくる部分に集中することができました。役職を越え現場メンバーとともに全員が参加し、ありたい姿の実現に向けたストーリーをつくりあげていく中で、従業員全員が自発的に業務改善に取り組む一歩を踏み出せた感触があります。
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導入後の効果
実は現場こそが課題を最も認識している
ワークショップを通して、現場メンバーは積極的な姿勢、課題や問題意識を持っていることが明らかになりました。発言の機会、情報共有する場やツールがなかっただけで、私の想像している以上に当事者意識、主体的な考えを持っていたのです。ワークショップはかどや製油の強みや良いところなどを再確認し、全員で共有する機会にもなりました。
ワークショップでは、取り組む施策の優先順位付けなどのプロセスを経て、課題が現場メンバー間で共有され、納得感を持って工場DXを進められるようになりました。ベクトルと価値観をあわせることで、優先度を決める合理的な進め方にも共感と理解を得られるようになります。 現場の意識や働き方の変革が、組織を強くするために重要であることを再認識しました。
ありたい姿、工場DXへのロードマップの骨子が明確になったのを契機に、今後は社員の意識改革とツールの導入を推進していきたいと考えています。
導入後の社内の反応は、参加しているチームメンバーは肯定感を持ってDX化に取り組んでいます。ですが、現場全体への浸透はこれからです。リーダーが現場に重要性を浸透させるための取り組みが進行中です。段階を踏んでloTツールなどを導入し、工場DXを推進していきたいです。
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今後の展望
DXを推進する前に
目的意識を高めるための風土づくり
今後は、現場メンバーの意識を変えて働き方改革を推進することが重要だと考えています。意識変革を実現するには、ツール導入とツールを使う人の意識向上の両方に取り組む必要があります。そのため、現場への浸透を支援する方法やサポートが求められます。リーダーがメンバーの声を引き出すファシリテーション力の強化や、具体的に意見を取りまとめていくための手法、教育ツールなども必要ではないかと考えています。
また、現場の課題の可視化や、IoTの導入・解析を行える専門メーカーは数多くありますが、DNPのサービスは顧客の要望に柔軟に対応し現場の風土を変える手段や方法も提供していると感じております。これからも、DNPの伴走支援に期待しています。
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この事例で紹介した製品・サービス詳細
- ロードマップ策定支援サービス
組織全体で“工場”と“人”のDX化を実現
工場のDX化を実現するために重要な、組織全体でのビジョン共有。工場の「ありたい姿」を明確化し組織全体でゴールイメージを共有することで、最適なロードマップの策定を支援します。