日揮ユニバーサル株式会社様

周年イベントのコンセプト創出

日揮ユニバーサル株式会社様(以下N-U様)は、2023年9月に創立60周年を迎えるにあたり、同年12月に社内向けの周年イベントを企画されていました。DNPは、周年イベントの企画にサポート役として参画し、ワークショップの企画・運営を行いました。サービスデザイン・ラボ🄬によるファシリテートを通じて、N-U様の若手社員が中心となって60周年イベントのコンセプトを策定しました。
(2023年8月30日時点の情報です)

背景と目的

N-U様は触媒の開発・製造・販売を軸とした事業を展開している会社で、2023年に創立60周年を迎えます。
周年イベントを企画するにあたり、同社の経営層には一過性のイベントで終わらせるのではなく、社員の育成・モチベーションアップへと昇華したいという思いがありました。DNPでは10年後の「未来のありたい姿」を策定してから逆算する形で、60周年イベントのコンセプトを構築していくという流れで「デザインシンキング」手法を用いたワークショップを提示し採用されました。
N-U様の若手を中心としてメンバーの手で10年後の「未来のありたい姿」を描き、60周年の「今」何をすべきか考えるワークショップを行いました。

プロセス

本プロジェクトでは、バックキャスティング手法を用いて「未来のありたい姿」を描き、現在から「未来のありたい姿」までのロードマップを作成し、今(60周年時点)のコンセプトを創出しました。

  • 未来を予測する上で、目標となる未来の成功シナリオを想定し、そのシナリオからさかのぼって現在何をすべきかを考える思考法。

周年コンセプトの創出は、以下の4つのステップで実施しました。

1. 現状分析(課題・強みの洗い出し)
N-Uパーソン( N-U社員)として「ありたい姿」および現状の働き方との「ギャップ・課題」を洗い出しました。具体的には、まず個人で「現在はできていないが、取り入れたい要素」、「企業の強み・魅力・残したい伝統」を書き出し、それをグループに分かれて共有・整理しました。

2. 10年後のありたい姿の発想
カバーストーリーという手法を用い、まず個人で「10年後の未来の成功イメージ」を想像して、成功に至るためのポイントと課題を抽出しました。その後、描いた内容を参加メンバーと共有し、「N-Uの10年後のありたい姿のイメージ図」を社会、会社、個人の3つのレイヤーで整理しました。その「N-Uの10年後のありたい姿のイメージ図」をもとに、「10年後のありたい姿」を言語化しました。

  • チームのビジョンを本や雑誌の表紙で可視化してみる手法。ビジョンについて共通認識を持ち、意思決定者からのサポートを得て、チームを鼓舞するための優れた方法である。

10年後のありたい姿(イメージ)

3. 10年後のありたい姿までのロードマップ作成
ゴールの実現に向けた道筋を明らかにするため、「N-Uの10年後のありたい姿」と現状とのギャップ(課題)を洗い出し、ギャップが生じている理由を深掘りしました。10年後までにギャップをどのように埋めていくのか、中間地点でのなりたい状態(マイルストーン)を具体化して、ありたい姿までの全体の道のり(ロードマップ)を作成しました。

4. 周年イベントのコンセプト策定
ロードマップから60周年の段階におけるなりたい姿を抽出し、それをもとに「N-U60周年コンセプトワード」を作成しました。

ワークショップの様子

今回のプロジェクトでは60周年イベントのコンセプトワードを策定することをゴールとしていましたが、ただのワードで終わるのではなく、課題を意識し、ありたい姿をイメージすることで、それに向けてどう進めていくべきか、メンバーたちの意志や夢が込められたワードになりました。

プロジェクトを終えて

今回のプロジェクトでは、N-U様の参加メンバーが自ら考え、言語化できるように工夫してワークショップを設計しました。
N-U様の参加メンバーからは、本ワークショップを通じて、組織を横断したメンバー間で課題やありたい姿を議論することができた、コミュニケーション不足が解消できた、自らどうなりたい・したいかを考えるようになった、といったご感想をいただきました。またワークショップのアウトプットである「10年後のありたい姿」や「ロードマップ」は、N-U様の企業成長のためのきっかけにしていきたいというお言葉もいただきました。
本プロジェクトから得られた気づきやアウトプットが、今後N-U様のさらなる発展につなげることを願っています。

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