株式会社Francfranc様
分散していた商品情報をContentserv(コンテントサーブ)で一元化
「Francfranc PIM」による素早いEC連携で
社会や顧客の変化に柔軟に対応
心地よい毎日を提案するとともに、日常に驚きや感動を提供するインテリアショップFrancfrancを展開する株式会社Francfranc。同社は2022年にContentservを導入し、新たな商品台帳システム「Francfranc PIM」を構築。その背景と効果などについて、デジタルプラットフォーム部 店舗システム課 課長 竹中 均様に伺いました。
(2023年10月時点の情報です)
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デジタルプラットフォーム部 店舗システム課の部門概要をお聞かせください。
デジタルプラットフォーム部 店舗システム課は、全国各地の店舗が利用するシステムや周辺のインフラを企画・構築・運用する部門となります。いわゆる情報システム部門の位置付けです。また、デジタルプラットフォーム部には、システム基盤やECの開発に携わっているエンジニア主体のインフラ開発課もあります。
Contentserv(「Francfranc PIM」)を全社的に利用
導入したContentservの基本概要をお聞かせください。
2022年9月から稼働しているContentservは、「Francfranc PIM※」という呼称で商品台帳システムの役割を果たしています。「Francfranc PIM」に商品情報を登録するのは商品開発部門。「Francfranc PIM」を参照するのは、商品開発部門のほか、EC部門、店舗スタッフなど、当社のほぼ全社員となります。
1年間に登録する商品数は、4,000~6,000SKU(Stock Keeping Unit、在庫管理上の最小の品目管理単位、単品管理)ほどです。「Francfranc PIM」以前の旧商品台帳システムを含め、10年以上は商品情報を蓄積していますから、トータルすると数十万もの商品情報が登録されています。
※PIM…Product Information Managementの略。商品(マスタ)情報だけでなく商品に関連するさまざまな情報を一元管理し、WebやEC、カタログ等へシームレスに展開することが可能な商品情報管理システム。
旧システムではAPI連携が不可能、商品情報のインプットにも課題
Contentserv導入の背景・課題をお聞かせください。
旧商品台帳システムのリプレイスが背景となります。導入してから10年以上が経過していた旧商品台帳システムは、当時さまざまな課題が散見していました。そのひとつに、API連携ができないことが挙げられます。現在はAPIを介してさまざまなシステムと連携することが常識となりつつありますから、大きな課題としてとらえていました。
商品情報のインプットにも課題がありました。そもそも旧商品台帳システムは商品情報管理のための専用パッケージではなかったため、商品情報の入力項目に限界があり、一部は基幹システムに登録、画像は専用サーバーに登録といった具合に情報が分散。このように、商品情報を登録する際は、複数のシステムにまたがって登録しなければなりませんでした。また、情報が分散していますから、参照する側も手間が生じます。特定の商品情報だけを参照したい場合は、ひとつのシステムにアクセスすれば済みますが、多くの情報を確認する必要がある店舗の場合は、複数のシステムを参照する必要がありました。
加えて、旧商品台帳システムはオンプレミスだったため、クラウドシフトもリプレイスの大きな理由でした。ご存じの通り、ビジネスシーンでは物理サーバーの運用・保守にかかる手間やコストから脱却するクラウドシフトが加速化しており、当社も数年前からクラウドシフトを実行。商品台帳システムもクラウド製品を求めるようになりました。
新たな商品台帳システムを構築するにあたり、要件などはありましたか。
以下の4つを要件として挙げていました。
1)API連携が可能
2)クラウドでの利用が可能
3)導入しやすいコスト
4)承認のためのワークフロー機能
1)と2)については、前述した課題を解消するための要件です。
費用面を考えると、3)のコストは重要な要件です。
4)については、承認制にすることで登録情報の間違いをなくしたいと考えていました。そのためのワークフロー機能を求めました。
ContentservのDAM機能に注目
製品の比較・検討はされましたか。また、比較・検討のなかでContentservを選定した理由をお聞かせください。
いくつかのパッケージ製品を比較・検討しました。スクラッチ開発も検討しましたが、やはり、時間とコストが膨大にかかるため、すぐに断念しました。
Contentservを選定したのは、要件の1)~4)を満たすパッケージ製品であるというが大きな理由です。また、DAM(Digital Asset Management、写真やイラストなどの画像、動画、音声データなどのデジタル資産を一元管理するシステム)機能を有しており、デジタルアセットも一元化できます。画像も一元管理したいと考えていたため、Contentservがベストの選択でした。さらに、当社が利用しているECシステムのコネクターを持っているのも選定理由のひとつでした。
DNPの提案力に期待
ContentservのベンダーとしてDNPを選定した理由をお聞かせください。
Contentserv社に問合わせを行い、紹介いただいたベンダーのひとつがDNPさんでした。DNPさんをベンダーに選定したのは、コストと納期のバランスが良かったことがひとつと、Contentserv以外のソリューションが豊富だったことが理由です。長いお付き合いになれば、さまざまな提案をいただけるのではないかと考えました。もうひとつ、会社の規模感も選定理由でした。規模感が品質の担保に直接つながるわけではありませんが、DNPさんほどの大手ベンダーなら安心できると思った次第です。
ワークフローを入念にカスタマイズ
「Francfranc PIM」の構築プロセスや構築時のカスタマイズなどがあれば、お聞かせください。
2021年9月に発注させていただき、2022年1月から「Francfranc PIM」のプロジェクトがスタートしました。まずは、基幹システムとのAPI連携をはじめ、当社からの要望とDNPさんからの提案を擦り合わせ、大まかな方針を決めて進めていく予定でした。しかし、いざプロジェクトがスタートすると、さまざまな部門から運用に即した細かな要望が上がってきたため、実現できるところとそうでないところをDNPさんとどこまでできるか相談しながら進めていきました。
具体的にはワークフローの機能をカスタマイズしていただきました。当社で扱っている商品はカテゴリーごとに分類されていますが、そのカテゴリーごとに承認者が異なります。だからといって、商品登録者と承認者の紐付けが複雑だと困ります。なるべく手間をかけずに承認者を選べるワークフローの仕組みをお願いしました。また、通常の店舗とアウトレットで展開している商品では異なるブランドがあるため、その部分もワークフローで調整していただきました。ほか、セール期間は商品情報の価格を変更しなければなりませんが、セール開始日に合わせて自動的に変更される仕組みというのも要望しました。
「Francfranc PIM」は時代とともに進化する商品台帳システム
「Francfranc PIM」の導入効果をお聞かせください。
商品情報を一元管理できるようになったため、登録や参照時に複数のシステムにアクセスする煩わしさはなくなりました。その点では使い勝手が良くなり、ユーザーからは好評を博しています。ただし、導入して1年足らずということで、モニタリングや定量的効果の測定はしていません。順調にいけば、数年後には定量的効果をご報告できると思います。
連携という面では、APIを介して基幹システムとの連携が可能になりました。今後も他システムとの連携を進めていきますが、まずは大きな課題がひとつ解決したと思っています。ほか、以下の定性的効果がありました。
<商品情報登録の進捗が分かる>
旧商品台帳システムの場合、商品情報の登録が完了しているのか、もしくは仮登録なのか、画面では分かりませんでした。そのため、担当者同士がメールなどでコミュニケーションを取る必要がありました。「Francfranc PIM」では、商品登録の進捗状況がステータスで一目瞭然。もちろん、わざわざコミュニケーションを取る必要もありません。
<問合わせの切り分けが不要>
ユーザーから問合わせがあった際、以前は旧商品台帳システムか基幹システムなのか、あるいは画像サーバーなのか、その都度切り分ける必要がありました。一元管理されている「Francfranc PIM」では、切り分ける必要はありません。ダイレクトにデータを参照すれば、どこに問題があるのかすぐに分かります。運用という点では、かなり楽になりました。
<データガバナンスの強化>
商品情報登録の際に承認のワークフローを導入したことで、データの正確性が高まりました。誤ったデータが登録される可能性は大きく減りましたから、データガバナンスは強化されたと思います。
<常にブラッシュアップできる>
「Francfranc PIM」はカスタマイズが可能で拡張性に優れたPIMです。これで終わりではなく、API連携やワークフローの見直し、データ構造を運用中に簡単に変更できるなど、今後も少しずつブラッシュアップしながら進化させていくことができる柔軟性があります。DNPさんと相談しながら、時代に合わせた「Francfranc PIM」をつくり上げていきたいと考えています。
小売業界の企業に向けて、商品情報管理に関するアドバイスがあればお願いします。
商品台帳や商品マスタと呼ばれるシステムは、基幹システムでも代用できると思います。しかし、画像も一緒にとなると、一気にハードルが高くなります。そうなると、やはりDAM機能を搭載するContentservがおすすめです。約1年、「Francfranc PIM」を利用し続けてきましたが、画像も一緒に管理できる点は、思った以上に使い勝手が良いです。
各システムとの連携強化を進める
今後の展開をお聞かせください。
Contentservの導入を決定した当初の思惑として、OMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインを融合し、顧客体験の最大化をめざすマーケティング戦略)を実現するための中間サーバーの役割をPIMが担うという将来構想を描いていました。それは今も変わっていません。「Francfranc PIM」で一元化した商品情報をさまざまな販売チャネルに連携させる予定です。まずは、「Francfranc PIM」の商品情報をECの商品マスタに自動連携させる仕組みづくりに取り組んでおり、商品情報を素早くチャネル連携することができていると思います。
DNPさんには、引き続き「Francfranc PIM」の支援はもちろん、小売業界で有効なソリューションの提案にも期待しています。今後ともよろしくお願いいたします。
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株式会社Francfranc
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※MDM=Master Data Management / PIM=Product Information Management