福岡県福岡市立東光中学校様

デジタル採点システムで定期考査テストの採点時間を大幅削減
「教員の働き方改革」の実現へ

本コラムでは、中教審が緊急提言し、文部科学省も実現を目指す「教員の働き方改革」の取組みとして、採点・集計時間の削減×指導の質向上に取り組む、福岡県福岡市立東光中学校の主幹教諭、古立淳先生に取材しました。

この記事のポイント

  • デジタル採点により、従来比で約1/3にテスト採点時間が効率化
  • テスト返却時間の短縮は、生徒のモチベーション向上にもつながる
  • 校務支援システムとの自動連携により「教員の働き方改革」が更に促進

採点時間が従来の1/3に短縮

福岡市立東光中学校では、新学習指導要領における「主体的・対話的で深い学びの実現(アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善)」に向けて、生徒同士が教え合い学び合う=「学び合い」の教育に取り組んでいます。また、それらを実践するために、すべての教員がタブレットを活用して毎時間の授業を行うなど、ICTを積極的に活用しているのが大きな特徴になっています。

学校におけるICT活用の推進は、こうした授業における効果だけでなく、校務を効率化することによって教員の働き方改革に貢献することが期待されています。その中で、同校が昨年度から取り組んでいるのが、デジタル採点システムを使った採点・集計です。

社会科を担当する古立淳主幹教諭は、「これまで3度にわたって定期考査のテストで活用しましたが、実際に行ってみると、採点に要する時間が従来の1/3程度に短くなりました」と思った以上に成果があったことを紹介いただきました。

テストの採点を効率化するめあてとしては、学校における働き方改革の実現、定期考査における採点の効率化の実現、校務の軽減を図ることを自身に課していましたが、「そのすべてにおいて達成できたと思っています」と大きな評価をされています。他の先生方にも薦めた結果、昨年度は社会科だけでなく、数学、国語、英語科の定期考査でも活用されました。

理解度やつまずきの把握も手間なく

本システムの評価ポイントについて古立主幹教諭は、「特に時間短縮の意味で大きいのは、選択問題はパソコンを開いた時点で自動採点されていることです。また、集計も自動で行ってくれるほか、手書き問題も画面上で串刺し採点できるため、テスト採点に係る時間を大幅に短くすることができるようになりました」

しかも、テストの集計結果から、「どこが理解できていて、どこが間違っているか」といった全体を通した把握も、パソコン上ですぐに確認できるのが便利だと続けます。「たとえば、第1問は26人中21人正解していたが、最後の問題は26人中4人しか正解していないなど、誰がどこでつまずいているかを1つ1つ手作業でチェックしなくても済むため、そうした作業に費やす時間も削減できるのが魅力ですね」

生徒のモチベーションアップにも

古立主幹教諭がテストの採点をスピードアップする効果については、職員室で採点作業をしていると、途中で声をかけられて作業が中断するなど、なかなか集中できないことを例に挙げ、「できれば早く採点してしまいたい、けれどテストの質は下げたくないというジレンマがある中で、デジタル採点はそんなストレスを解消してくれるツールになりました」と指摘します。

また、採点時間の短縮により、1時間目にテストを行えば午後には採点結果を返却できるようになったことに触れ、「間違っているところをその日のうちに解説してあげられるようになるなど、生徒のモチベーションの向上にもつながるようになりました」と指導上のメリットも感じているようです。

校務支援システムとの連携を希望

今後の希望としては、ふだん教員が活用している校務支援システムとの連携を図ることだといいます。「なぜなら、採点した結果が通知表、調査書、指導要録などに自動的に転記されれば、このような成績管理に費やす時間がもっと大幅に短縮できるようになるからです。それは、経営資源を活用した時間管理として、学校のカリキュラムマネジメントの推進にも通じることになると考えます」と話してくれました。

なお、福岡市では教職員の長時間勤務の解消及び業務改善を総合的に実施していくため、平成30年3月に「福岡市立学校教職員の業務改善のための実施プログラム」を策定。

①長時間勤務の解消に向けた取り組み 
②業務改善と環境整備に向けた取り組み 
③業務改善に向けた学校マネジメントの推進
④部活動指導に関わる負担の軽減
の4つの視点に立った取り組みを進めることで、教員が子どもと向き合う時間を確保し、教育活動を充実することを目指しています。

その中で、同校ではデジタル採点システムを活用することによって、教員の作業時間を大幅に削減する確実な成果を生み出しています。今後もこのような働き方改革につながる具体的な取り組みが他校にも広がっていくことを期待します。

福岡市立東光中学校
古立淳 主幹教諭

福岡市立東光中学校で成果を上げたデジタル採点システムが、「DNP学びのプラットフォーム リアテンダント®」の機能のひとつであるPC向けデジタル採点システム「Answer Box Creator」です。
この事例以外にも、このシステムを活用してアンケート集計やテスト採点の作業改善が実現した、校務支援システムとの連携でさらに効率化が図れたとの声が全国から寄せられています。
ぜひお問合せください。

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