ゆこゆこホールディングス株式会社様

従来DMと比べてCV率が2.3倍に!旅行検討中のお客さま一人ひとりに合わせたパーソナライズドDM施策で宿泊施設の予約の大幅増加に成功

「日本を代表する温泉予約・宿泊サービス」を目指し事業を展開する、ゆこゆこホールディングス株式会社様(以下、ゆこゆこ様)。この度、大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、同社が運営する宿泊予約サイト「ゆこゆこネット」にて旅行を検討しているお客さまに対し、お客さま一人ひとりのサイト閲覧状況に合わせた情報を掲載したパーソナライズドDMをお送りするという、新たなダイレクトマーケティング施策の実施を支援させていただきました。施策の実施にあたってはDNPの「パーソナライズド・プリント・プラットフォーム」をご導入いただき、ゆこゆこ様のこの取組みの効果としては、従来のダイレクトマーケティング施策と比較して、平均レスポンス率が約2.3倍まで向上いたしました。

Webサイト離脱者に対して、
その会員が閲覧していた宿泊施設情報をタイムリーにはがきDMで訴求

ゆこゆこ様が運営する宿泊予約サイト「ゆこゆこネット」を訪れたものの、宿泊予約に至らず離脱した既存会員に対して、その会員がサイト上で閲覧していた施設情報を掲載したはがきDMをサイト離脱の翌週にお届け。デジタルとアナログの組み合わせによる新たなCRM施策の実現を支援させていただきました。

具体的には、ゆこゆこ様にて導入されているプライベートDMP(Data Management Platform)(以下、DMP)にて、サイト離脱したお客さまが直近で閲覧していた宿泊施設情報を抽出し、各宿泊施設を紹介するための画像素材とともにDNPの「パーソナライズド・プリント・プラットフォーム」に連携。お客さま一人ひとりが直前に見た宿泊施設がはがきに印刷されたパーソナライズドDMを自動で生成・印刷し、発送いたしました。

これにより、お客さまが温泉旅行を検討した熱量の高いタイミングで、お客さまが興味を持った宿泊施設の情報を、紙という手に取れる媒体でリマインドするという、今までにないお客さまとのハイブリッドなコミュニケーションを実現いたしました。

「パーソナライズド・プリント・プラットフォーム」パーソナライズドDM施策実施概要図

「パーソナライズドDM施策実施」概要図

「パーソナライズド・プリント・プラットフォーム」パーソナライズドDMの内容説明

「パーソナライズドDM」イメージ

◇パーソナライズドDMとは

パーソナライズドDMは、Webサイトやオウンドメディアから得られる顧客行動データを起点に、コンテンツだけでなく、タイミングも顧客一人ひとりに最適化された紙メディアのことを指します。DNPの「パーソナライズド・プリント・プラットフォーム」では、顧客のホットなタイミングを逃さないよう、データ連携から最短24時間で、個々にパーソナライズ化されたコンテンツを紙メディアで発送します。

背景・課題・実施効果

今回、上記の新たなダイレクトマーケティング施策の実現を推進された、ゆこゆこホールディングス株式会社 マーケティング部 マネージャー 小堺秀真様と岩上一也様に、施策実施やDNPの「パーソナライズド・プリント・プラットフォーム」の採用に至るまでの背景などについてお話を伺いました。

ゆこゆこホールディングス株式会社 マーケティング部 小堺マネージャーと岩上様

ゆこゆこホールディングス株式会社 マーケティング部
マネージャー 小堺秀真様(写真:右) 岩上一也様(写真:左)

お客さま起点による
デジタルとアナログを組み合わせたハイブリッドなコミュニケーションの必要性

Q.今回取り組まれたパーソナライズドDMの、実施に至った背景や目的について
お聞かせください。

ゆこゆこホールディングス株式会社 マーケティング部 小堺マネージャー



小堺秀真様(以下、小堺様):以前から、「ゆこゆこ」をご利用いただいている「お客さま一人ひとりに対し、当社が提供する情報を最適なタイミングと形で提供したい」という思いがあり、それを実現するには、デジタルとアナログ双方のタッチポイントを組み合わせたハイブリッドなコミュニケーションが必要と考えていました。

ゆこゆこホールディングス株式会社 マーケティング部 岩上様



岩上一也様(以下、岩上様):当社は従来から「隔月で発行している会員誌によるアプローチ」と「Webサイトやメールを中心としたデジタルアプローチ」を展開しており、それぞれ本誌会員とWEB会員と区別し、各タッチポイントでコミュニケーションを実施しておりました。しかし、お客さまは紙とWEB双方を区別することなく、宿泊予約に向けた行動をとっています。

小堺様:当社のお客さまは60代以上の方が7割を占めており、創業から20年間、会員誌をはじめとする紙メディアを中心にお客さまとコミュニケーションを行なってきました。しかし、お客さまが紙とWEB双方を活用しながら旅行を検討している今、従来からの紙メディアにデジタル(WEB)から得られるデータを組み合わせれば、「お客さま一人ひとりが求める情報を求めるタイミングと形で提供する」という理想に近づけると感じました。

毎日平均15万人以上がWEBサイトで旅行を検討!

小堺様:宿泊予約サイト「ゆこゆこネット」では、1日当たり平均で約15万人が旅行や宿泊施設を検討していますが、その多くはその場で宿泊予約に至らず離脱してしまいます。しかし、宿泊意欲が高く、かつサイト閲覧行動をしているお客さまが興味を持った宿泊施設の情報を保有していながら、サイト離脱した後の有効的なアプローチは、メルマガ等デジタルアプローチしか実施できていませんでした。

そこで、DNPの「パーソナライズド・プリント・プラットフォーム」を活用することで、サイト離脱者に対しての予約促進を、旅行検討の熱量が高いタイミングに、メールよりも手元に残るぬくもりを感じられる紙メディアで実施できるのではと考えました。

岩上様:当社で導入しているプライベートDMPから、サイト離脱したお客さまが閲覧していた宿泊施設ページ情報を抽出することが可能でしたので、そのデータをもとにはがきDMを発送することにしました。DM仕様としてははがきを想定していたので、紙面構成的にお客さまが直近で閲覧した宿泊施設を2つ掲載することを前提に、もし、閲覧されていた宿泊施設が1つだった場合は、DMPに搭載されているレコメンドエンジンからおすすめの宿をピックアップして掲載するように設計しました。

小堺様:また、限られた紙面上で各宿泊施設ごとに載せる画像については、宿の外観や提供される料理など、数ある画像素材の中から「露天風呂や大浴場などの『温泉写真』」をチョイスすることにしました。温泉宿ならではのシズル感や各宿泊施設の特徴が最もよく出るポイントだからです。

圧倒的な差!従来施策に比べ、約2.3倍のレスポンス率!

Q.今回のパーソナライズドDMでは、従来施策と比べて平均レスポンス率が約2.3倍に向上したそうですね?

岩上様:はい。サイト閲覧後のモチベーションが高いタイミングにDMが届いたことがレスポンス率の向上につながったと考えています。2019年5月に開始してから5か月間で平均レスポンス率は、従来実施していたロイヤル会員向けの情報誌の倍以上の効果を得られました。

小堺様:実際にお客さまが閲覧していた宿泊施設を掲載したことも効果的でした。現に今回のパーソナライズドDMから宿泊予約に至ったお客さまの7割が、DMに掲載されていた宿泊施設を予約されました。

パーソナライズドDMを軸に、宿泊施設とのパートナーシップも強化

Q.パーソナライズドDM活用における、今後の展望がございましたらお聞かせください。

岩上様:離反防止や予約キャンセルしたお客さまに対するアプローチなどのシナリオへの展開を考えています。また、当社と各宿泊施設で個別に企画した特別な宿泊プランがあり、こちらをパーソナライズDMに掲載するコンテンツとすることも検討しています。

小堺様:旅行というBtoBtoCのビジネスモデルならではの、お客さまと宿泊施設の相互メリットを生み出す手段としても期待をしています。宿泊したいお客さまと予約を取りたい宿泊施設のニーズのマッチングを手助けする媒体としてパーソナライズドDMを活用し、お客さまと宿泊施設どちらにもこれまで以上に喜んでいただけるような温泉旅を提供していきたいです。それによって、お客さまと宿泊施設の双方に「ゆこゆこ」ブランドに対する愛着を感じていただき、それが将来的には競合他社との差別化につながるところまで目指したいですね。

※社名・役職などは掲載当時のものです。

【用語解説】

◇DMP(Data Management Platform)とは

ユーザーの興味・関心を推定し、適切と考えられる広告を配信する行動ターゲティング広告などを実現するため、ユーザーの顧客属性、サイト閲覧履歴、購買履歴などを管理するプラットフォームです。自社が保有する情報を管理するプライベートDMPと社外のメディアから入手した情報を管理するパブリックDMPがあります。

◇CRM(Customer Relationship Management)とは

顧客管理または顧客関係管理の略語です。市場に競合する商品が溢れ、さらに少子高齢化の影響もあって、新規顧客の獲得が難しくなっており、むしろ既成顧客との関係を継続的に強化するほうが、売上・利益向上に効果的との考え方から活用されています。これまでの購入特性に基づき、顧客のセグメント化を行い、それぞれのセグメントに最適な営業/マーケティング施策を実施することで、より大きな売上や利益を獲得や、顧客のファン化、ロイヤルカスタマー化を目指します。

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